
──動物保護って、きれいごとじゃ続かない。
犬猫を助けたい。
もう一度、居場所をつくりたい。
そう思う人はたくさんいます。私もそのひとりでした。
でも実際に始めてみると、きれいごとでは済まないことばかり。
今回は、私が保護活動をしていて本当に必要だった「気力・体力・資金」について、リアルな話をまとめてみました。
気力:好きだけじゃ続けられない
犬猫が好き。
その気持ちで始めた保護活動でしたが、思っていたよりも「心が削れる」場面が多かったです。
- 保護依頼や報告など連絡が止まらない
- キツい言葉が飛んでくる
- 脅迫のようなことを受ける
- せっかく助けた子が亡くなってしまった
- 役所や保健所、保護団体の連携の難しさ
情熱がなければ始められないけど、情熱だけでは心がもたない。
でも、あきらめるわけにもいかない。
そんな気持ちの揺れを何度も経験しました。
保護活動に向いているのは、「優しさ」と「冷静さ」が共存できる人なのかなと思います。
それでも続けたいと思うのは「出会ってしまった命」に私なりの責任を持ちたいからかも知れません。
体力:夜間の移動、汚れ物、掃除、投薬
犬猫の保護は、体力仕事です。
特に一時預かりや引き取りを自分でするとなると、大変です。
- 急な夜間のレスキュー
- 怪我や皮膚病のケア
- 掃除、洗濯、駆虫や投薬
- 多頭の食事管理とトイレ清掃
- 病院通い、定期健診
地域的な保護団体は高齢化も相まって、体調を崩したときのフォローが弱かったり、ひとりで50匹前後を抱えている方もおられます。私でさえ「もし倒れたら、この子たちはどうなるんだろう」と本気で考えました。
だからこそ、自分の体調管理も「活動の一部」として意識するようになりました。
資金:保護は「無料」じゃできない
保護活動にかかる費用は、誰かが“自腹”で払っていることがほとんどです。
手術代など助成金で賄える部分があったり、団体規模になると寄付や支援ももちろんありますが、それだけで全てはまかなえません。
私の場合は個人で動いていたので、出費は基本的に自腹でした。
- 医療費(検査・ワクチン・不妊手術など):1頭あたり1〜4万円ほど
- フード・おやつ・ペットシーツ・トイレ砂:月に1万円〜数万円
- ケージ・キャリー・サークルなど備品:初期費用として数千円〜
- 移動費(ガソリン代や駐車場):都度発生
- その他(洗剤・掃除用品・シャンプーなど):意外と出費がかさむ
保護頭数が増えるほど、費用もどんどん増えていきます。
私は家計と相談しながら、必要最低限を割り切ってやってきましたが、それでも1頭あたりにかかる合計費用はかなりの負担になります。
最後に
大変なことばかり書きましたが、じゃあやらなきゃよかったのか?と言われれば、答えは「NO」です。
命が繋がる瞬間に立ち会えたこと、
新しい家族に出会った子の写真、
関わった方からの「ありがとう」の声が届いた日、
そういう一瞬一瞬に、全て報われたような気持ちになりました。
これから保護活動を始めようとしている人。
今、悩みながらも関わっている人。
そういう方の“参考”ではなく、“心の準備”になれば嬉しいです。